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転職の効果

産業カウンセリングはキャリア・コンサルティングの1つの視点であるとはいえ、個々人のキャリア形成を主としたものではありません。 つまり、これまで日本では終身雇用制度が厳然として存在していましたので、キャリア・コンサルタントは必要なかったというのが現実です。

一方、民間人材紹介会社などでは職業斡旋時に相談が行われ、個人のキャリア、適性と仕事のマッチングを行ないながら、キャリア・コンサルティングのような取組みが行なわれてきました。 とはいっても、前述したように人材紹介会社は「企業のために人を探す」ことが前提ですから、個人のキャリア形成のために次の職業を提供するという立場ではありませんでした。
政府は2001年度第1次補正予算で、総合的な雇用対策に事業規模約5500億円の予算配分を行ないました。 そのなかで、一貫した再就職支援システムを強化するためのハローワーク充実の一環として、キャリア・コンサルタントを全国に1000人規模で配置することを決め、2001年10月からは一部で配置が始まっています。
また、雇用のミスマッチを防ぐことを目標に、今後5年間に全国で5万人のキャリア・コンサルタントを養成することを目指しています。 では、なぜ今、キャリア・コンサルタントの養成が急務となっているのでしょうか。
1最初にあげられるのは、終身雇用制度の崩壊です。 終身雇用制度が厳然と存在していた時代には、学校卒業時に進路指導の先生との相談のもとに職業を決め、その後は会社のなかでの自分の位置だけを考えればよかったのです。
個人のキャリア形成より組織全体のバランスが優先されていたといえます。 長く1つの組織のなかで暮らしてきた人間が今までと違った道を選択しなくてはならなくなったとき、案内人が必要なことはいうまでもありません。
厳しい社会経済の急激な変化や労働市場の流動化に柔軟に対応できるように、みずからの能力を高めるためには常に自分のキャリアを念頭におき、キャリア開発を自発的に行なわなくてはいけません。 いつ起こるかわからない転機にそなえ、労働市場における自己の付加価値を高めることが求められています。

フラットな組織の誕生があげられます。 以前のような年功序列型の組織は崩壊し、上司と部下という縦型のコミュニケーションが成立しなくなりました。
日常的な悩みや相談事を上司に持ちかけるというシーンがなくなってきています。 そのうえ、成果主義、実力主義が導入され、ライバルにもなりうる社内の人間に相談相手を求めることは難しいことになりました。
個人の人生観や価値観の多様化、就業形態の多様化も原因の1つです。 正社員だけではなく、契約、派遣、パート、SOHOなどさまざまな形態を選択できるのはよいことですが、同時に自分のキャリアにどういう影響を与えるのか、自分のライフスタイルとキャリア形成をどうすり合わせることができるのか、そのなかで豊かな生活の質をどう維持していくのかを考えなくてはなりません。
また、女性の社会進出に伴い、女性のキャリア形成も大きな課題となっています。 再就職支援会社でキャリア・コンサルティングを受けるときには、コンサルタントを自分で選ぶことができません。
でも、求職活動期間中、コンサルタントとの関係は、どんなことでも相談ができる、アドバイスされたことを素直に受け入れられるという良好なものでなければなりません。 再就職支援会社のコンサルタントは、会社としての教育やバックアップ体制がありますが、他の場でキャリア・コンサルタントを探すときにはそれらがわかりませんので、さらに次のようなことを確認してください。
まれに、「仕事は人生のすべてに関連する。 進学も恋愛も何もかもご相談ください」などとうたっているキャリア・コンサルタントもいますが、こういったコンサルタントは信頼がおけません。
キャリア・コンサルティングは決して占いではありません。 どんなアドバイスをもらおうと、決めるのは自分だということを忘れないでください。

いくつかの民間団体から資格が付与されている状況です。 厚生労働省はキャリア・コンサルティング研究会を設置し、キャリア・コンサルティング支援整備についての取組みを行なっています。
また、2002年9月19日発表の「キャリア形成促進助成金の助成対象となるキャリア・コンサルタント能力評価試験の指定基準の細目及び指定手続について」のなかで、能力評価試験の指定基準の細目と指定手続を明らかにしています。 日本ではまだ公的なキャリア・コンサルタント資格がなく、現在行なわれている「キャリア・コンサルタント養成講座」は20以上ありますが、そのなかから5講座をご紹介します。
養成講座だけのもの、資格付与をしているものなど、さまざまな形態があります。 ほかにも数多くの講座がありますが、「教育訓練給付制度厚生労働大臣指定講座」に指定されているものが多いので、講座受講の際には問い合わせをしてみることをお薦めします。
なお、企業が従業員の育成のために費用を負担する場合、「キャリア形成促進助成金対象キャリア・コンサルタント能力評価試験」に対しては、助成金が受けられます。 日本の現状をにらみながら、企業でのキャリア・カウンセリングについて実践的に学ぶための講座です。
自分のキャリアは自分で形成・開発していく時代へと変化し、企業内では諸制度を取り入れながら個人の論理と組織としての論理との共生が必要とされています。 そこで、個人と企業を結びつけるキーマンとしてのキャリア・カウンセラーが、今求められています。
基礎理論、応用実践をとおして、キャリア・カウンセラーとして必要な知識と技能を身につけるための講座です。 講座修了後の認定審査で、人材開発協会が「キャリア・カウンセラー資格」を認定します。
認定者は現在の日本の状況下でいよいよ期待されるキャリア・カウンセラーの活動基盤となる知識・技能・態度を習得し、さまざまなキャリア・カウンセリングの第一線で活躍しています。 社会経済生産性本部は、キャリア・コンサルティングを「個性をもった個々人がそのおかれた環境において、相互に連携し、能力を最大限に発揮して活動できるようにする一連の支援活動」であると定義し、その活動領域と対象として次の2つを挙げています。
個々人のキャリア形成支援のみならず、企業内において制度としてのキャリア・カウンセリングを定着させるために、日本企業の特質をふまえ制度をバックアップし続けることが可能なファシリテータの養成を特徴として掲げています。 日本の企業や労働事情を熟知した同法人ならではの充実した講座となっています。

通学講座と通信講座を同時進行することで、受講生の完全理解を目指しています。 労働流動化の促進に伴い、「転職」「適職」という言葉が日常的になってきています。
給与格差の是正、退職金や年俸の形態が問われるなか、あらゆる年齢層において自己認識や自己の市場価値などを確認することが、個人の生き方にとっての重要な要素となり、これを支援するキャリア・カウンセラーの養成が急務とされています。

転職はどうあるべきか、この大きな転職のテーマのもとに研究を進めています。
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